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買う前に、今の暮らしを少し思い出してみる
「あ、これ買わんでもよかったな」
買い物をしたあと、ふとそんなふうに思うことがあります。
まだ家に残っている野菜を、「特売だから」「新鮮だから」と買ったとき。割引シールが貼られている服や日用品を見つけて、「今買わないと損かもしれない」と思ったとき。買うときには、それぞれに理由があったはずなのに、家に帰ってから考えると、もう少し待ってもよかったなと思うことがあります。
だからといって、買い物のたびに「これは本当に必要?」と厳しく考えるのも疲れてしまいます。
無駄買いを防ぐために、何も買わないようにするのではなく、買う前にほんの少しだけ、今の暮らしを思い出してみる。そんな方法なら、無理なく取り入れられるかもしれません。
家にあるものを思い出してみる
食材は、特に「今、家に何があるか」を忘れやすいものです。冷蔵庫にまだ野菜が残っているのに、店頭で新鮮なものを見つけると、つい買いたくなることがあります。
ところが、料理する頃には少し萎びていたり、使い切るために無理して食べたりすることも。そんなときは、買い物の前に冷蔵庫を細かく確認しなくても、「まだ何か残っていたかな」と一度思い出してみるだけでも違います。
買うことを我慢するのではなく、すでに持っているものを思い出す。小さな確認が、食材を使い切ることにもつながります。

「いつか使う」は、今の暮らしに置けるかな
「体に良さそう」「便利そう」「いつか使うかもしれない」。そんな理由で買ったものが、結局使わないままになったことはないでしょうか。
私にも、粉状のサプリや一食置き換えのシェイクを買って、賞味期限を切らしてしまったことがあります。一食置き換えも、実際にやってみると食事の楽しみが減るように感じて、続きませんでした。
一方で、今の暮らしに自然に溶け込んで、無理なく続けられているものもあります。「良さそうか」だけでなく、「今の自分なら使い続けられそうか」と考えてみると、自分に合うものを選びやすくなります。
「安いから欲しい」と「本当に欲しい」を分けてみる
お気に入りの店で割引シールを見つけると、「買わないほうが損なのでは」と感じることがあります。安くなっているのだから、今のうちに買っておこう。そんな気持ちになるのも自然なことです。
でも、持ち帰ってから、すでに似たものを持っていることに気づいたり、家にある服と合わせにくかったりすることもあります。
そんなときは、「安いから欲しい」のか、「これが欲しい」のかを一度分けて考えてみる。必要だったものを安く買えるのはうれしいことです。そのうえで、割引されていることと、自分にとって必要なことは別なのだと気づいておくと、買い物の見え方が少し変わります。
買ったあと、自分はどう使うのかを考えてみる
買い物をしているときは、手に入れることに気持ちが向きやすいものです。でも、家に持ち帰ったあと、そのものを使う時間まで少し想像してみると、「本当に欲しいものなのか」が見えやすくなることがあります。
使う場面まで想像できるものかな
「いつか使う」ではなく、「いつ、どこで、どんなふうに使うかな」と考えてみます。服なら手持ちの服と合わせられるか、日用品なら置く場所があるか、食品ならいつ食べるか。具体的に想像してみると、買ったあとの暮らしが浮かんできます。
反対に、使う場面がなかなか思い浮かばないものなら、今すぐ買わなくてもよいのかもしれません。買うかどうかをその場で決めきれないときは、一度店を離れてから考える方法もあります。
「買わない」と決めるためではなく、「買ったあとも気持ちよく使えそうか」を確かめるための時間です。
少し高くても、買ってよかったと思えるものがある
無駄買いを考えると、「できるだけ安く買う」ことが大切に思えてきます。でも、値段が安ければ必ず満足できるとは限りません。
私の場合、本当にいい香りだと思った香水は、少し高くても毎日つけたくなります。少し割高でも、おいしいと思えるお菓子を買うこともあります。そういうものは、買ったあとに「買ってよかった」と思えることが多いのです。

食べ物を選ぶときも、「ここでこれを買うなら、少し歩いてあそこまで買いに行こう」と考えることがあります。安さだけで比べるのではなく、自分が何を楽しみたいのかまで考えると、買い物の基準が少し変わってきます。
暮らしに溶け込むものは、続けやすい
サプリも同じです。以前は買ったものを使い切れなかったことがありましたが、自分の暮らしに無理なく取り入れられるものなら、続けることができます。
「人気があるから」「人にすすめられたから」という理由だけではなく、自分の生活の中で無理なく使えるかどうか。毎日の習慣になったときに負担にならないか。そうしたところまで考えてみると、自分に合うものを選ぶヒントになります。
買い物は、ものを手に入れるところで終わりではありません。その後の暮らしの中で、気持ちよく使えるかどうかも、買ってよかったと思えるかを決める大切な部分なのだと思います。
「買わない」より、「買ってよかった」を増やしていく
無駄買いを防ごうとすると、「できるだけ買わないようにしなければ」と考えてしまいがちです。でも、買い物をする以上、あとから「これは買わなくてもよかったかな」と思うことがなくなるわけではありません。
大切なのは、買い物のたびに自分を反省させることではなく、次に似た場面が来たとき、ほんの少しだけ考えられるようになることなのかもしれません。
買い物中の小さな迷いを、そのままにしない
迷ったときは、難しいルールをたくさん作らなくても大丈夫です。「家に似たものはなかったかな」「今の暮らしで使うかな」「安いから欲しいだけではないかな」と、自分にひとつ問いかけてみます。
それでも欲しいと思ったなら、買うのももちろんひとつの選択です。逆に、今すぐ決めなくてもよさそうなら、一度持ち帰らずに時間を置いてみてもいい。買うか買わないかを急いで決めないことも、買い物の中に作れる小さな余白です。
迷いをなくすのではなく、迷っている自分に気づく。それだけでも、買い物との付き合い方は少し変わっていくのだと思います。
思ったほど使わなかったものがあっても、自分を責めない
本もそうです。本屋で中身を一生懸命確認して、「これは読みたい」と思って買って帰ったのに、結局パラパラとめくっただけで、思っていたほど読まなかったことがあります。
でも、買ったときの自分には、その本を読みたいと思った理由があったはずです。だから、読まなかったからといって、すべてを「無駄だった」と決めなくてもいいのではないでしょうか。
そして私は、本屋がなくなってしまうのは絶対にいやです。便利さや効率だけでは測れないものも、暮らしの中にはあります。買い物の失敗を減らすことと、好きなものを楽しむこと。その両方を大切にしていたいと思っています。

自分にとって「買ってよかったもの」を知っておく
無駄買いを完全になくすことより、自分にとって「買ってよかった」と思えるものを知っておくほうが、買い物は楽になるかもしれません。
それは、高価なものとは限りません。毎日使いたくなる香りかもしれないし、楽しみに食べるお菓子かもしれない。暮らしに自然に溶け込んだものかもしれません。
買う前にほんの少しだけ、今の暮らしと、そのあとの自分を思い出してみる。そうすれば、「買わないように頑張る」のではなく、自分にとって本当にうれしい買い物を少しずつ選べるようになるかもしれません。
買い物のたびに完璧な答えを出さなくても大丈夫。今日の自分が「これを買ってよかった」と思えるものを、少しずつ増やしていけたら。それもまた、暮らしの中に小さな余白をつくる方法なのだと思います。

